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2020/07/13

"これだけ主義”と"できるだけ主義”

 できるだけ増産する、できるだけ原価を下げる、できるだけよい品質のものをつくる、という考え方を"できるだけ主義"という。
 最大限の努力をはらうということが、"できるだけ"という表現になるのであるから、気持ちとしてはまことに結構である。しかし、困ることがある。それは、"できるだけ"というのはどれだけなのか、だれもわからない。一つやっても、三つやってもできるだけやった結果だといえばそれまでである。「大至急やる」というのは、"できるだけ"主義である。しかし、大至急というのは、いつまでにやれば大至急なのか、だれもわからないのである。
・・・その結果うまくいかなくても、「できるだけやったけれど・・・・・・」で事がすむ。
 計画は"できるだけ主義"ではいけない。「いつまでに完成する」、「これだけ安くする」というように、"これだけ主義"でなければならないのだ。事前に目標を明示して背水の陣をしき、何がなんでもそれを実現する、という決意と責任をもつことなのだ。
 目標がはっきりしているから、実績と比較されて、その成果がハッキリと評価される。"これだけ主義"には勇気がいる。"これだけ主義"こそ責任あるものの態度なのである。

(マネジメントへの挑戦 一倉定著 日経BPマーケティングより引用)

 コロナ禍においてまだまだ資金対策の実施と固定費削減でこの非常時を乗り切ろうと不安の中での対応策を模索される経営者も多いのではと思います。
 そんなときについ言葉として出てしまいます、「できるだけ」「最大限の」「大至急」。 これが、無責任発言であることに果たして気づいているのだろうか。
 実は、経営者からの「これだけを」「これだけは」の指示であれば、経営者の本気度を社員が感じる内容とも映ります。
 確実に実施して欲しいことに焦点を当てて指示をする、指示を受ける社員にとっては明確な指示として本気で取り組む、そんな関係がこの非常時には重要でしょう。
 あれもこれもではなく、これだけに絞る経営を実践していきませんか。

所長による経営随想コラム R0207号

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