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2021/05/11

環境整備

~環境整備こそ、すべての活動の原点である。~

 環境整備とは、規律・清潔・整頓・安全・衛生の五つを行うことである。多くの人々は、環境整備について、知っているようで、その実よく知らない。大切なことだから、やらなければいけないと思いながら、なかなか積極的に実施しようとはしない。環境整備をテーマにした論文やセミナーなど皆無に近い。環境整備に対する認識も関心もうすいのである。私にいわせたら、これほど奇妙な現象はない。
 十カラットのダイヤモンドがゴロゴロところがっている宝の山に入り、誰でも自由にこれを拾っていいのに、これを拾い上げようとしないようなものである。だから奇妙なことだというのである。これが環境整備に関する多くの人々の認識なのである。盲点中の盲点ということができよう。

(日本経営合理化協会 一倉定の社長学第9巻「新・社長の姿勢」より引用)

 愛知県も12日に緊急事態宣言が発令されます。またか、でもやむを得んなと思われていることと思います。また不便になるな、打合せがしにくいな、移動ができないな、食事をしてのコミュニケーションもとれないな、などなど。その不便さを補うためのコミュニケーションツールとして急速な勢いで普及し始めたのがデジタル化による情報伝達・情報共有ツールではないかと思われます。オンライン会議、テレワーク、ワークフロー、クラウド化、SNS活用など業務改善の道具として、ここ1年多くの場面で聞かれるようになってきました。
 さて、自社においても業務改善と称してデジタル化を実施しなければ経営の効率化ができないと社員に命じたりしていませんか。しかし、アナログをデジタルにすることで経営効率を上げろといった指示の形では、ある意味、的外れな指示となる場合があります。
 アナログからデジタル化への実現を図るには、作業自体を単純化し、標準化していくことがその過程で必要になるはずです。そして、その作業の標準化にとって重要となることがこの環境整備です。作業の単純化そして標準化を進めるには、要らないものを捨てる・要るものを残す「整理・整頓」、そして決めたことを守る「規律」に取り組む「環境整備」が活動の原点と言えると思います。
 デジタル化は必要です、デジタルツールを我社に導入するためには、まず、自社の環境整備を一度見直す、そして業務の単純化・標準化を進める、その上でデジタル化による業務改善を進め、経営効率化へと繋がっていく流れが実は最も合理的かと思います。
 だからこそ、原点となる環境整備の重要性を今一度見直し、実行することが必要と思います。

所長による経営随想コラム R0305号

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