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2021/08/10
社長の性格と新事業
~自分の性格に合わない事業には、手を出さないほうが無難である。~
新事業といっても業態が大きく違ったり、技術的に未知なものにいきなり飛び込んだり、社長の性格に合わなかったりすると、どうもうまくいかないケースが多い。
人間というものは、急に大きな意識革命をしようとしても、なかなか一気にはできない動物らしい。過去の経験や考え方が障害になってしまうのである。性格も急には変えるわけにいかない。
とするならば、そのような大きな意識改革を要するものや性格に合わない事業には手を出さないほうが無難である。何も自ら苦手の分野に乗りこんで苦労することはない。自らの企業の特質を生かす事業、白らの性格に合った事業を見つけるべきである。
(日本経営合理化協会 一倉定の社長学第4巻「新事業・新商品開発」より引用)
アフターコロナ、DX、事業再構築補助金、まだまだコロナ禍の中にあってではありますが、事業の変革や転換が必要と叫ばれ、そこに資金が投入され始める時代に突入しているように思います。
このままで良いのか、何か準備を始める時期にきているのではないか、今までとは違った事業に変化しなければ生き残れないのではないか、時代に敏感な経営者ほど焦りを感じ始める時期になろうとしているように感じます。
まずは、焦ったり様々な情報に振り回されたりしないことが大切です。そして、事業を変革させる場合は、経営者にとって実施したい、チャレンジしたい事業への変革であるかどうかが重要です。経営者にとって、自分の性格に合う、経営者にとって実現したい事業であることが、新規事業にとって最も必要なビジョン経営に繋がるものになるはずだからです。経営者のビジョンとして、やりたい事業にチャレンジしなければ成功確率も高まりません。ましてや嫌々行動することでは社員にその必要性を語る説得力さえなくなってしまいます。
事業の変革は会社の大きな転換でもあります。だから、経営者に合う事業を熱く実行することが最も効果的だと思います。
所長による経営随想コラム R0308号