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2022/06/10

環境整備された空間の力①・・・「集中」の力

 残業しなければならないほど忙しいP社は、毎日1時間の一倉式環境整備を導入します。
普通じゃないですよね。残業の必要があるのに、1時間の環境整備をするのですから。しかも就業時間内にするわけですから、単純に考えると、さらに残業が1時間増えることになります。
 これは管理職としては残業代がかさみ、納期が遅れるわけですから、猛反対するのは当然でしょう。社員にとっても精神的負担が大きいに違いありません。
 ところが、です。生産性は例月の30%も上がったというのです。そしてさらにゆとりが出て、のんびり仕事をしているというのです。これはいったいどういうことなのでしょうか。
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 時間がない人に、1時間環境整備をやってみることを勧めるのは一見、逆説に思えますが、実際はそうではありません。生産性が上がりさらに時間にゆとりができるのです。
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 それでは答えです。
 環境整備がされている空間は「集中」の力が発揮されています。
 なぜ集中か。それは、いらないものが捨てられ、必要なものの置き方と置き場所が決められた空間は、達成すべき目的に対して迷わなくなるからです。やるべきことが明確になり、目標に対して集中して取り組むことができるのです。

(日本実業出版社 舛田光洋著 一倉定の環境整備より引用)

 戦争、物価高、円安、中国のロックダウンなどの環境変化により、今までと同じビジネスでは太刀打ちできないぞと主張する会社も増えてきたように感じます。
 そもそも、一倉式環境整備とは、すべての活動の原点であるとして、「いらないものを捨てる」、「埃も汚れも取り除き」、「物の置き方と置き場所を決める」ものであると説明しています。
 そして、一倉式環境整備の神髄を発見すると称して、いくつかの様々な力を具体的に理由と共に解説されています。(「集中」の力はその一つです。)
 今日の今、何をすべきか分からなり、見えなくなっていることはありませんか。そんななか、最も早く「社長の意識改革」のできるものが環境整備と筆者は伝えます。
 この一倉式環境整備を今だからこそ、真剣に取り組んでみませんか。

   環境整備こそ、すべての人びとの活動の原点である。
   むろん企業にとってもそうであることはいうまでもない。環境整備のないところ、会社の発展はない。環境整備のないところ、社会秩序も住み
   よい世の中も、いや、国家の繁栄さえ絶対にあり得ない、というのが私の信念ともいうべきものである。(一倉定の社長学「新・社長の姿勢」より)

所長による経営随想コラム R0406号

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