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2021/03/02
これから、「懐かしいもの」が復活してくる
いま、社会や市場や企業において、「懐かしいもの」が復活し、「懐かしいもの」への復古が起こっています。
「御用聞き」 「寺子屋」 「手紙美人」 「助け合い」
そうした、「懐かしいもの」が復活してきているのです。しかし、その「螺旋(らせん)的発展」を見るとき、我々が決して忘れてはならないことがあります。いま「復活」しつつある、様々な「懐かしいもの」。それは、ただ「懐かしいもの」ではない。それは、「便利になった懐かしいもの」なのです。
「便利になった懐かしいもの」
実は、この視点が極めて重要です。なぜなら、社会や市場や企業において「螺旋的発展」が起こり、「復活」が起こるとき、多くの場合、「便利になった懐かしいもの」として復活してくるからです。
「螺旋的発展」においては、螺旋階段を回って、ただ、元に戻ってくるわけではない。元に戻ったとき、必ず、一段、高い位置に登っている。必ず、何かが進歩・発展している。
そのことの具体的な現れは、多くの場合、「便利になっている」ことなのです。
すなわち、「懐かしいもの」が、さらに「便利」になって戻ってくる。
(東洋経済新報社 田坂広志著 使える弁証法 より引用)
コロナ禍にあって、多くの変化が急速に起きています。そして我々はその変化に対応し、場合によってはそれを先取りし経営をこれに合わせる必要が出てきます。実際にはどう変化していくのか、ヒントが欲しい、そんな悩みも大きくなってきています。
そんな中、筆者は、社会や市場や企業が進化していくとき、様々な懐かしいものが復活してくることをキーワードに上げています。しかもその進化の過程は、らせん的発展であると。
デジタル化が様々な場面で叫ばれていますが、デジタル化で実現されていくものは、もしかしたら、過去に、時代と共にあきらめてしまったものの中に少なからず存在するかも知れません。となると、先取りする時代の中に、過去失ってしまったものの「らせん的発展」で、一回りして復活するものを、キーワードとして、検討してみることも有効な選択肢と言えるかも知れません。
そして筆者がこう続けています。
「このことを理解するならば、いま、世の中でよく使われている、あの言葉の本当の意味が理解できます、「進化」。「未来進化」と「原点回帰」は同時に起こる」と。
所長による経営随想コラム R0303号