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2023/02/03

人間的魅力

 だが、彼は「マクドナルド」によって成金になろうとしたのではなかった。事実、クロックにとってカネは重要な動機ではなかったらしい。社員にも、儲けるより、よい仕事をしようと努力せよと言うのが口ぐせだった。一所懸命に働き仕事を愛すればカネのことなんか自然に解決すると力説した。

「金儲けだけのヤツは好きじゃない。自分の仕事を好きでやってる人間に魅力を感じる。それが一番大切なことだと思う」と、よく言っていた。

 1930年代の終わりに、紙コップのリリ-チューリップ社から去っていらい、クロックは大企業の創業を夢見てきた。その大企業の基礎となる構想をマクドナルドに見つけたという信念が、最大の動機となってクロックを動かしたのである。
 時は1954年、30年間にわたるセールス中に蓄積した魔力の発揮場所を求めていた52歳の男の前に現われたのがマクドナルドだった。
    (ダイヤモンド社 マクドナルド-我が豊饒の人材- 徳岡孝夫訳より引用)


 大変古い本ですが、経営コンサルの藤江さんから紹介されたものです。
 また、レイ・クロックとは、マクドナルド兄弟から引き継いだシステムを全世界に浸透させたマクドナルドの実質的な創業者と説明されています。強引な部分もあったのか、悪評部分が映画化もされています。しかし、優れた仕組みを世に認められるまでの苦戦部分は学ぶべき部分であると感じました。その中での、口ぐせと言われる部分の抜粋です。
 経営環境の変化、金融市場も大きく変わろうとしていること、そして、転職を勧めるCMが多いところも経営者としては気になるところです。働く人の将来への不安感を表しているのかもしれません。そんな中、今大切にすべきことは何でしょうか。
 「自分の仕事を好きでやってる人間に魅力を感じる」部分は、働く社員にとっても、魅力的な環境と映るのではないのでしょうか。将来への不安感とは、将来に向かって価値を感じられる仕事として懸命に打ち込める環境が提供されていれば、不安感も希望へと向かっていくのではないでしょうか。
 先ず、経営者として、今の仕事を好きでやれていますか、そして、社員に見せられていますか。経営者の姿、そして、そこに続く管理者の姿が、社員の将来への不安の払拭に繋がっていきます。そして、それは、社員が頑張れる環境へと繋がっていくように思えます。
 社員が安心して頑張れる経営環境を作り出すことは社員を大切にすることと同じです。
 退職などで大切な社員を失わないこと、今経営者の重要な仕事であると私は思います。
所長による経営随想コラム R0502号

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