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2020/10/05

セールスマンの適格者

~セールスマンの適格者は、
頭の回転が遅く、社交性に欠け、ロが重いことである。~

 世に有能なセールスマンのイメージというものがある。それは、頭の回転がよくて社交性に長け、弁舌がさわやかであること、というところが相場である。
 ところが、現実は全然逆で、右のようなセールスマンは最も不適格である。
 こうしたセールスマンは個々の商談には強いかもしれない。しかしそれは、かえってお客様に「してやられた。今度から気をつけよう」というような警戒心を起こさせるような危険がある。だから「押し込み販売」には向くかもしれない。しかし「押し込み販売」は販売の邪道である。
 セールスマンの適格者は、頭の回転が遅く、社交性に欠け、口が重いことである。そして真面目で根気強い人間である。・・・蔭ひなたなく根気強く」こそ、セールスマンに要求される最も大切なものである。

(日本経営合理化協会 一倉定の社長学第3巻「販売戦略・市場戦略」より引用)

 コロナ禍にあって、減少した売上はしょうがないと自らに言い聞かせ何もせずじっと待つ経営者、不足する売上をなんとしても補填していかなければと決意新たにする経営者の2つに分かれ始めている昨今のような気もしてます。
 何もしない経営者はある意味論外と言いたい部分もありますが、自社の社員に新たな取引先から注文をとって来いとか、粗利率を死守して売って来いなど、現状にあっては過大過ぎる期待と重責を課すことも問題であると思います。過大過ぎるが故に経営者の要求は満たされず、不満のボルテージが上がる、そんな状況になっていることはないでしょうか。
 明確な方針もなく経営者の過大な期待に答えられる社員など我が社にいるはずがない、もしいればすぐに経営陣に大抜擢すべきであり、さもないと独立するか転職を選択されるそう考えるべきではありませんか。経営者がわかりやすい方針を出した上で社員が行動できる形で業績を託せる仕組みにすべきではありませんか。
 経営環境が激変しています。顧客情報の収集に重点を置き明確な販売戦略を社員と共有する、情報交換のコミュニケーションを密にする、実は、我が社の強みが最も発揮できる時代になってきたとも言える環境です。
 顧客の困ったこと、これがビジネスの基本です。顧客にとって相談しやすい社員とは決して弁舌爽やかな社員ではないことは明白。販売方針を胸に、顧客の話をよく聞き根気強く行動できる社員の方が成功度も高くなるはずです。
 不謹慎ですが、実は面白い時代の到来だと話をされる経営者もおられます。今まさに経営者としての仕事をしているかどうかが問われている時代なのかも知れません。
 新たな時代に生存し成長できる会社を共に作っていきましょう。

所長による経営随想コラム R0210号

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