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2025/02/10

社長の未来像

~すぐれた企業は、必ずすぐれたビジョンを持っている。~

 会社は絶対につぶしてはならない。いつ、いかなる場合にも利益をあげて存続させなければならない。これが経営者の最低限度の社会的責任である。そこに働く人々の生活を保証するという社会的責任である。
 次に、社会に貢献するという責任をもっている。そのためには、会社自体が繁栄しなければならないのだ。繁栄は、社会がその会社を必要としているなによりの証拠である。
 経営者は、まず以上のような社会的責任を自覚してもらいたいのである。
 さらに、従業員に対する人間的な責任がある。「とにかく食っていけばいい」「もうこれ以上大きくしない。こぢんまりやるのが私の主義だ」というような社長に、よくお目にかかる。こういう生き方は、個人としてなら結構である。はたから、とやかくいうことはない。しかし、経営者は従業員をかかえているのだ。社長がこのような気持ちでいたら、従業員は浮かばれない。
 人間はみな生活の向上を願い、自己の才能を発揮したいという欲求をもっている。一個の人間としての「自己拡大」の本能である。会社を発展させなければ、従業員の自己拡大の欲求は満たされない。
 人間としての欲求を無視することになるのだ。いったん、経営者を頼って入社してきた人間の欲求を満たしてやろうとしないのは、人間性無視もはなはだしいといえよう。
 経営者は、以上のような社会的責任と、従業員に対する人間的な責任の両方を負っているのだ。そのためには、どうしても長期的な繁栄を実現させなければならないのである。
 この自覚が経営者の使命感である。この使命感のない経営者は経営者の資格がないのだ。この使命感の土台の上に、経営者のもつ人生観宗教観などの哲学を積み重ねて「わが社の未来像」を心にえがく必要がある。 
        (日本経営合理化協会 一倉定の社長学第7巻「社長の条件」より引用)

 久しぶりに手厳しい一倉節!を取り上げました。
 時代が難しくなってきたせいか、経営や人材採用に悩まれている経営者が増えてきたように感じます。迷いを持つ経営者ほど、外からは魅力なく映ります。そんなとき、実際に何がやりたいのか・どうしたいのかを社員に見える化する「ビジョン(我社の未来像)」経営が、現社員にだけでなく採用する人材にも効果大となっているように感じます。
 ここで変な区分けをします。経営者が実現したいビジョンには、経営者にとって「苦しい欲望」と「楽しい欲望」の二つに分かれるとどこかで読みましたし、私も感じることがあります。そして、「苦しい欲望」は、長続きもせず社員にも伝わらない。「楽しい欲望」であることがビジョン経営には必須であると、繁栄する多くの会社を見て私は確信しております。

 それを踏まえて一倉節が以下の通り続きます・・・

 未来像(ビジョン)は、絶えず従業員に語り、社外の人に話すのである。それが従業員に希望をもたせ、社外の人々の援助や協力が得やすくなる。自らは、それが潜在的に植えつけられて「必ず実現してみせるぞ」という信念が生まれてくる。こうなればしめたものである。経営者の使命感を土台にした未来像のないところに経営はなく、繁栄はない。
 すぐれた企業は必ずすぐれた未来像を持っているものである。
所長による経営随想コラム R0702号

 

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